イチロー氏に高まる侍J監督待望論…本人も連覇に貢献、WBCに並々ならぬ思い入れ
8月31日、バンテリンドームナゴヤに詰め掛けた観衆は実に2万人超。根強い人気を誇示したのが、イチロー(51=マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)だ。
「高校野球女子選抜」対「イチロー選抜 KOBE CHIBEN」の特別試合に「1番・投手」でスタメン出場。初回に2死球を与えたものの、終わってみれば1安打完封勝利。51歳ながら最速135キロをマークするなど観衆を大いに沸かせた。
松井秀喜、松井稼頭央、松坂大輔の元日本人メジャーリーガーも集結し、2年連続の出場となった松井秀は、三回に2年連続となる本塁打を右翼席中段に叩き込むパワーを見せた。
試合は「高校野球女子選抜強化プログラム」の一環として行われ、今年で5回目を迎えた。試合終了後にはイチローの野球殿堂入り表彰式も行われ、大団円を迎えた。
引退後のイチローは、野球界の裾野を広げる活動に熱を入れている。米国在住にもかかわらず来日し、学生野球資格回復の研修会に参加。訪問指導した高校野球部は10校を超えた。現役時代にたびたび1位を獲得した明治安田の2025年「理想の上司」でも17位タイにランクイン。若年層にもその名前が浸透しているのが現状だ。
そんなイチローをめぐって、監督就任待望論が浮上している。
「侍ジャパンの次期監督です」とは、NPB関係者だ。
「現任の井端弘和監督の任期は来春のWBC第6回大会まで。以降の代表監督は未定です。WBCが大いに盛り上がっているのは、日頃は野球に関心がない層の取り込みに成功しているから。侍ジャパンに大谷翔平ら日米のトッププレーヤーが集結することはもちろん、テレビ朝日、TBSが地上波で中継を行い、強化試合や情報番組などを通じて事前に盛り上げていることも大きい。
しかし来春大会は、米動画配信サービス大手のネットフリックスが日本国内における独占放送権を獲得。テレビ局は『敵に塩を送る』ような盛り上げは控えるでしょう。まして、大谷の出場も確定しているわけではない。NPBや侍ジャパン内にはWBC人気に対する悲観論が広がっている。
そこでイチロー監督です。地上波中継がなくなり、侍ジャパンのスポンサーを確保するうえで監督のネームバリューは重要度が増す。06年、09年大会連覇に貢献したイチローが侍ジャパンを率い、松坂、松井稼らWBCメンバーがコーチとして入閣すれば、さすがにテレビ局も軽く扱うわけにはいかなくなるはずです」
実際、今回の高校野球女子との試合のスポンサーには、佐藤製薬、SMBC日興証券、セブン-イレブン・ジャパン、オリックスグループなど名だたる企業が参入。