広陵野球部は“廃部”へ一直線…加害生徒が被害生徒側を名誉棄損で告訴の異常事態
今夏の甲子園大会中に出場辞退した広陵(広島)でスッタモンダが続いている。
1月に起きた部内暴力の加害生徒とされている3年生部員1人が10日、被害生徒の親権者によるSNSへの投稿で名誉を傷つけられたとして、名誉毀損罪で東京地検に刑事告訴したのだ。告訴人は被害生徒の親権者、他の投稿者の処罰を求めているという。
1月に硬式野球部の寮内で、告訴人を含む3年生部員が下級生1人に暴行を働く不祥事が発生。被害部員はその後、転校を余儀なくされた。その被害部員の親権者とみられる者が、今夏甲子園大会直前に「合計100発を超えるような集団暴行」などと投稿していた。
結果としてSNS上で、複数の3年生部員の名前や顔写真がさらされることになったのだが、高校野球に詳しいスポーツライターの美山和也氏がこう言う。
「全ては学校の無責任な対応と高野連の処分の甘さが招いた事態といえます。高校側が加害の事実を矮小化した疑惑を持たれ、だから、被害者側はSNSを使って世論を味方にするしかなかったのでしょう。高野連は報告を受けていたにもかかわらず、3月に『厳重注意』という中途半端な処分にとどめています。被害生徒側によれば、さらに監督らはこの事件を隠蔽しようとしたと主張している。厳重注意ではいかにも軽いですよね」