難病ALSの英女性がAIで25年ぶりに「声」取り戻した!
手足・のど・舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉がだんだんやせて力がなくなっていく難病の「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」で発声能力を失った英女性が、AI技術のおかげで「声」を取り戻したと話題だ。
ロンドン在住のサラ・エゼキエルさん(59=写真、本人のフェイスブックから)は2000年にALSと診断され、発声能力を失った。当初は誰とも話せない状態が続いたが、20年ほど前から、目線追跡技術を使って画面上の文字を選択し、それをもとに合成音声で話をすることが可能に。
AI技術で現在、本人の声のサンプルがあれば、声を合成することが可能になったが、サラさんの声データは古いVHSテープに残されたわずか8秒の音声だけ。
しかし今年8月、英支援技術会社スマートボックス社は、その音声から最新技術でノイズを除去。数千の声で学習したアプリでイントネーションを予測し、音声のサンプルを合成した。
それを聞いたサラさんは「自分の声の記憶は薄れてました。初めて聞いた時、泣きそうになった。本当に奇跡です」と感激。そしてサンプルは同社の「グリッド3」というアプリに統合され、サラさんの目線入力で自然な発話が可能になったのだ。
古い合成音声の時は自分がロボットのように感じていたというサラさんは「やっと自分に戻れた気がします」と語った。