坂口志文・大阪大栄誉教授にノーベル賞!自己免疫疾患を抑えられる「制御性T細胞」を発見
スウェーデンのカロリンスカ研究所は6日、2025年のノーベル生理学・医学賞を、過剰な免疫を抑制する「制御性T細胞」を発見した坂口志文・大阪大栄誉教授(74)ら日米3氏に贈ると発表した。
T細胞などの免疫細胞は、病原体や突然変異で発生したがん細胞を攻撃するが、過剰に働くと正常な細胞や組織まで異物と見なして攻撃する「自己免疫疾患」を引き起こす。坂口氏は、免疫反応にブレーキをかける細胞があると確信し、この細胞を使えば自己免疫疾患を抑えられると考えた。
実験結果を1985年に発表。95年に制御性T細胞の目印となる分子を見つけ、2001年にはマウスの細胞で重要な遺伝子を発見。その後、ヒトでも見つかり、免疫学の大きな研究テーマへと発展した。
制御性T細胞を操作し、免疫疾患などの治療に応用する研究も進められている。免疫の抑制を解除してがん細胞への攻撃力を高めたり、移植手術で拒絶反応を少なくしたりする治療法が模索されている。
坂口氏は、大阪府吹田市の大学内で記者会見を開き「学生や共同研究者に深く感謝している。いろんな方にお世話になった」と笑顔を見せ、かみしめるように語った。