69歳の元消防士が服役中の孫を守るために強盗…カリブ海仏領での奇妙な事件が話題に
カリブ海のフランス領グアドループで起きた奇妙な強盗事件が、国内外で注目を集めている。
事件が起きたのは9月末、北部サント・ローズの警察署の近くにあるスーパーでのこと。ベージュの覆面を着用し、ライフルを携えた男が入ってきて、店員にレジの現金を要求。金を奪った後、店内のチーズとワインで一杯やった後、のんびり店を出て車に戻ろうとしたところを、通報を受け駆けつけた警察官に逮捕された。まったくの無抵抗だったという。
逮捕されたのは地元の元消防士(69=氏名非公表)。前科などない善良な市民で、取り調べで明らかになった動機は意外なものだった。
男の孫(年齢非公表)が刑務所に収監されており、面会に行った際に孫が「歯が折れるほどの暴行を受け、傷だらけだった」ことに衝撃を受けた。強盗は、「なんとしても刑務所に入って孫を守りたい」という一心からの行動だったのだ。
男は、武装強盗、加重暴行などの罪で起訴された。先日、通常なら3~5年の実刑が科せられるところだが、大幅に情状酌量され、懲役1年3月(うち5カ月実刑、10カ月執行猶予)の判決が下された。
ネットでは「祖父の行動は理解できるが、犯罪は許されない」との批判や、「家族の絆の象徴だ」という共感の声も上がり、反響を呼んでいる。