著者のコラム一覧
鳥海翔ファイナンシャルプランナー、投資家

1985年群馬県太田市生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、2008年三井住友海上火災保険株式会社に入社。金融商品の制約に疑問を抱き、2016年に株式会社Challengerを設立。NISAやiDeCo、保険、投資信託などの資産形成のための知識を提供する登録者数約40万人のYouTubeチャンネル「鳥海翔の騙されない金融学」を運営。著者に「だまされないお金の増やし方」(KADOKAWA)。現在は初心者でも学びながら無理なく実践できる金融・家計改善プログラム「Private Bank College」を運営するほか、企業研修や自治体・学校での金融教育講演も多数行う。

「年金1.9%増」に歓喜する中高年の理想と現実…手取りはわずか8割、老後2000万円では絶対に足りない

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繰り下げ受給は気休め?老後を救う「ゆるい働き方」

 では、私たちはどのように老後資金の不足を埋めていけばよいのでしょうか。よく専門家は「年金の繰り下げ受給を選択して、毎月の受給額を増やそう」といったテクニックを勧めます。

 もちろん制度を賢く使う視点は大切ですが、インフレや税金の負担を考えると、受け取り方を工夫するだけで数千万円規模の不足をカバーするのは不可能です。

 そこで、まず取り組むべき現実的な対策として提案したいのが、「働く期間を少しだけ延ばす」選択肢。とはいえ、現役時代のようなハードワークを強いるわけではありません。

 週に数日、あるいは1日3〜4時間など、体調や生活リズムに合わせた無理のない範囲で十分カバーできます。

 例えば、65歳で完全にリタイアせず、70歳までの5年間、年間100万円程度のペースで働き続けたとします。これだけで、老後資金に500万円のゆとりが生まれる計算です。

 高齢期に得る確実な現金収入は、大切な現役時代の蓄えを切り崩すスピードを遅らせる大きな支えになるでしょう。国や制度に過度な期待を寄せるのではなく、自分で収入の原資を作る意識を持つ。これこそが、インフレ時代を生き抜くための現実的なアプローチにほかなりません。

 しかし、いくら稼いで収入を補ったとしても、無意識に「出ていくお金」を放置していては、バケツの底から水が漏れるのと同じです。

 続く第2回では、生活の質を落とさずに家計をスリムにする「正しい節約のポイント」について詳しく解説します。

(構成=西脇章太/にげば企画)

  ◇  ◇  ◇

 物価高時代は貯蓄も?●関連記事【こちらも読む】普通預金の「金利」は以前の300倍でも物価高時代には…貯蓄の運用の新常識…もあわせて読みたい。

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