全国に飛び火する喫煙二重規制<下>
こうした検討委員会の議論を、飲食店関係者はどうみているのだろうか。飲食店経営者で兵庫県飲食業生活衛生同業組合の入江眞弘理事長はこう言う。
「まず、委員会の構成が偏りすぎていて、ニュートラルな議論ができない。私が言いたいのは、見直すにしても国の健康増進法改正と乖離しない内容にしていただきたいということです。国が飲食店の規制について100平方メートルを基準にしたのは神奈川や兵庫の条例を評価したからでしょう。そこを重んじてほしいですね。飲食業をひとくくりにした全面禁煙みたいな乱暴な見直しは論外。店の環境や自主性にも配慮してほしいですね」
大阪と神戸は電車で30分ほどの近距離。ともに外国人観光客に人気の土地である。国の法律と大阪、兵庫の条例の内容が異なったら、混乱は必至。受動喫煙防止対策は政治家の実績作りでも、行政のメンツでもない。いたずらに規制強化に走るのではなく、国の法律との整合性、分かりやすさを第一に考えるべきではないだろうか。