ソフトバンク孫正義氏 トヨタとの提携を生んだ“絶妙投資”
トヨタ自動車とソフトバンクグループは4日、移動サービス分野で提携することを発表した。共同出資会社を設立し、今年度中に事業を開始するという。
2020年代半ばまでに「移動・物流・物販」など、多目的に活用できる配車サービスを行う方針。具体的には、無人のタクシーや自動運転による宅配だ。日本国内で軌道に乗せ、海外展開も視野に入れているという。
車の製造にとどまっていては取り残される――。トヨタの強い危機感がソフトバンクとの提携に走らせた。経済ジャーナリストの井上学氏が言う。
「いい車を造っていれば売れる時代は終わった。ユーザーの“脱所有”を見越して、トヨタ自ら移動サービスに乗り出して、そこでトヨタ車を使ってもらうということです。まだ、将来どんなサービスが展開できるのか手探りだと思いますが、さまざまな可能性を考えて、米の配車大手ウーバーなどと協業するため、ソフトバンクと組むことにしたのです」
ソフトバンクは、米「ウーバー・テクノロジーズ」、シンガポール「グラブ」、中国「滴滴出行」などの配車サービス会社に出資している。現在、配車サービス会社はライドシェアビジネスが主な収益源だ。