東大は数百億円を…大学の資産運用拡大は財政難の裏返し
リーマン・ショックから10年を経過し、羹に懲りて……なりを潜めていた大学の資産運用がここにきて急拡大している。頂点を極める東京大学に至っては、国内の大学で初めて債券を発行して資金調達する準備を進めているという。果たして大丈夫なのか。
「駒沢大学はデリバティブ(金融派生商品)運用で154億円の損失を出した」
今から11年前の2008年末、こんな記事が新聞紙上を賑わせたのは記憶に新しい。
「当時はミニバブルで、どこの大学も銀行や証券会社の口車に乗って、金利スワップや通貨スワップなどをこぞって購入していました。それがリーマン・ショックで一気に暗転、巨額の損失を抱えてしまったのです」(私立大学教授)
その後始末のために、キャンパスや野球部のグラウンドなどの保有資産に根抵当を付けるなどして、資金繰りを支えた大学も少なくなかった。