2年早く…J.フロントのパルコ完全子会社化は高い買い物?
ファッションビルの先駆、パルコが発行株の64・98%を握る親会社で、大丸・松坂屋を運営するJ.フロントリテイリングの全面支配下に入る。J.フロントが2月17日まで実施するTOB(株式公開買い付け)を受け入れ、同社の完全子会社となる道を選ぶ。
パルコは堤清二氏を総帥とするセゾングループの一角として1969年に1号店「池袋パルコ」を開業。斬新な広告戦略など巧みな情報発信でファッションに敏感な消費者の心を掴み、時代のトレンドをリードした。
業績不振でセゾングループが解体された後の2001年からは森トラストが筆頭株主となったが再編を巡る思惑などから対立。一時はパルコの転換社債を引き受けた日本政策投資銀行やパルコの事前了解なく発行株の12%を取得したイオンをも巻き込んでの激しい経営権争奪戦に発展した。
ただ12年3月に森トラストが保有株をJ.フロントに譲渡。同7~8月にパルコとの資本業務提携やパルコに対するTOBが相次ぎ実現し、J.フロントの連結子会社に組み込まれた。今回、これをさらに深掘りして同体化することについてパルコでは「J.フロント内でパルコとともに事業成長していこうという機運が高まったため」(牧山浩三社長)としている。