かんぽ生命は前途多難 10.5営業再開もお詫び行脚で精一杯
およそ1年3カ月ぶりの再開ということになる。日本郵政グループが大規模な不正販売の横行発覚以来続けてきた保険商品の営業自粛の解除に踏み切る。再発防止に向けた体制が「おおむね整った」(増田寛也社長)と判断。来月5日以降、通常営業へそろりと舵を切る。
日本郵政グループは保険商品を巡る不正販売が広がっていることを認めて当時の植平光彦かんぽ生命保険社長と横山邦男日本郵便社長が揃って謝罪会見を行った昨年7月から保険営業の自粛に入った。同12月には金融庁と総務省から3カ月間の業務停止命令を食らって長門正貢日本郵政社長を含む3トップが引責辞任。その処分が解けた4月以降も「まずは(不正の)全容解明と企業統治の再構築が優先」(関係者)として自粛を続けてきた。
今回、こうした措置を解除するのは外部の助言機関などから「(営業再開への)必要最低条件は満たす」といった評価を得たためだ。不正の再発防止に向け、保険商品の売り込みに当たっては顧客の同意を得た上でやりとりの内容を録音。10月からはすべての顧客に契約内容を確認する書類を送付する。業務推進体制も見直す。これまでの販売額重視から保有契約重視に営業目標を転換。70歳以上の高齢者には原則、商品の勧奨を禁止する。