台湾新型通勤用車両商戦の敗因 リスクを取らない日本企業

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「日立を除いた日本メーカーはリスクの大きな海外事業に打って出るよりも、飽和状態に近いとはいえ車両更新で毎年確実な需要が保証される国内市場で十分と内向きになっているのですよ」

 鉄道を中心に取材する経済誌記者は日本企業が台鉄通勤型車両に応札しなかった背景を解説する。

■日台経済、実は隙間風

 今回のタロコ号脱線事故から垣間見えてくるものは、政府がインフラ輸出の笛をいかににぎにぎしく吹けども、それに応じることができない日本企業の窮状でしかない。最も親和性の高い台湾市場に韓国の復活を許してしまった今、日本勢が巻き返すことは容易ではあるまい。

 マルクスは「経済学批判」の中で「上部構造の表象は下部構造の反映にすぎない」と語った。上部構造とはイデオロギー、政治であり、下部構造とは経済である。災害・大事故では日台政治家は熱いエールを交換する。しかし、タロコ号脱線事故からは日台経済実態間に吹く隙間風しか垣間見えてこない。日台関係の近未来はマルクスの言が的中しているのかどうか、この観点から観察しなければならない。

▽甘粕代三(あまかす・だいぞう)1960年、東京生まれ。早大在学中に中国政府給費留学生として2年間、中国留学。卒業後、新聞、民放台北支局長などを経て現職。時事評論、競馬評論を日本だけでなく中国・台湾・香港などでも展開中。

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