小沢コージ
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小沢コージ自動車ジャーナリスト

雑誌、web、ラジオ、テレビなどで活躍中の自動車ジャーナリスト。『NAVI』編集部で鍛え、『SPA!』で育ち、現在『ベストカー』『webCG』『日経電子版』『週刊プレイボーイ』『CAR SENSOR EDGE』『MONOMAX』『carview』など連載多数。TBSラジオ『週刊自動車批評 小沢コージのカーグルメ』パーソナリティー。著書に『クルマ界のすごい12人』(新潮新書)、『車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本』(宝島社)、『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた 27人のトビウオジャパン』(集英社)など。愛車はBMWミニとホンダN-BOXと、一時ロールスロイス。趣味はサッカーとスキーとテニス。横浜市出身。

新型GR86&BRZプロトタイプ初サーキット試乗 問答無用の楽しさ、ヤバ過ぎる!

公開日: 更新日:

GR86/スバルBRZ

 走り始めた瞬間に感じてしまった。このダイレクトな楽しさ、ちとヤバすぎるかも? と。

 待望の国産新作スポーツカー、GR86&スバルBRZの2代目プロトタイプに遂に初試乗してきた。それも本格ショートサーキットの袖ケ浦フォレストレースウェイでだ。

 そもそも86&BRZは9年前の2012年にトヨタとスバルの初コラボ作として生まれた大衆向けピュアスポーツ。最大のキモはスバルが独自開発する重心の低い水平対向4気筒エンジンで、それを従来のFF用からリア駆動のFR用に作り直し。同時にボディーもプラットフォームから完全新作、初代トヨタ86、スバルBRZが誕生した。

 正直200万円台から買える大衆向けスポーツとしてこんなにお金をかけたケースは最近ない。大抵は大衆FFコンパクトにちょちょっと軽量低重心ボディーを組み合わせたくらいが関の山で、近年ほぼイチから新作したのはバブル期に生まれたマツダ・ロードスターだけといってもいい。

改良と進化は予想以上

 ましてや近年日本は長く続く停滞期。そんな中、イチから作れたのは両社のコラボだからこそ。単独ではこんなプロジェクトは成立しなかったはず。

 さらに続編2作目だ。確かに初代は86が20万台超、BRZが9万台超と大成功。しかし大衆車として見るとプリウスなら1年で売り切る台数。決して儲かる数ではない。

 だが今回2代目に乗って驚いた。予想以上に手の込んだ改良と進化が行われているのだ。開発担当のスバルの井上正彦エンジニア曰く、

「2代目の開発が決まったら、あれもやりたいこれもやりたいとアイデアがどんどん集まってきちゃって」と嘆きつつも笑い飛ばしたが、つくづく日本のエンジニアはスポーツカー好きでマジメだ。

圧巻の2.4ℓ水平対向エンジン

 まず驚くのは、乗り心地の良さとボディーの剛性感。初代も素晴らしかったが一体感、剛性感が一段と増していて、コーナー進入時のステアリングの効きの良さはもちろん、スムースなドリフト状態への移行具合が半端ない。

 圧巻は新たに2.4ℓに排気量アップした水平対向エンジンで全域パワフル。初代の2ℓも良く回ったが、正直トルクが細くてエンジンサウンドの割に走らなかった。ところが新作は低中速域のトルクの薄さがなくなり、どこから踏んでも7000回転まで気持ち良く伸びきる。

 エクステリアもよりセクシーかつ高品質に。おおよそのシルエットは変わってないが、初代より25mm長く10mm低くなって全長×全幅×全高は4265×1775×1310mm。キャビンもより左右を絞り込んであって凝縮感も倍増。

走り始めて5秒でピュアな楽しさに気づく

 さらなる驚きはボディーの作り込みで、骨格のプラットフォームは流用ながらも新世代のSGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)で開発したインナーフレーム構造を初採用。結果、ねじり剛性は従来比で50%もアップ。

 そのほか大衆スポーツながらもボンネット、ルーフ、フロントフェンダーをすべてアルミ化。衝突安全向上で嵩んだパーツ増加分を相殺、車重は初代と同等だから凄い。

 同時に低重心化も進み、旧型比で4mmダウン。たかが4mmされど4mm。これら細かい改良が、走り始めて5秒で気づくピュアな楽しさへと繋がっているのだ。

 発売予定はBRZが今夏でGR86が今秋。価格は未発表だが、手が届くレベルに落ち着くはず。今のトヨタとスバルでなければ作れない、ある意味「国宝級の大衆スポーツ」。乗るなら今しかない。

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