おそうじ本舗 見澤直人社長(1)異端児がハウスクリーニングのプロ集団を率いるまで

公開日: 更新日:

 しばらくして家に戻ってみると、大きな騒動になっていた。当時、見澤家が住んでいたのは団地の5階。すぐ下の4階の住人が「家の中が水浸しになった」と怒鳴り込んできたのだ。見澤少年がトイレに流そうとした紙が詰まったせいだった。

 親から「なんでそんなことをしたの」と聞かれても、首をかしげるしかなかった。その理由が自分ではまったくわからないのである。ただ、芯が欲しいと思っただけなのだ。

「本当に単細胞なんです。あれがしたいと思ったら、深く考えず、なりふりかまわず前にまっすぐ進んじゃう。今でもそういうところがありますけど」と見澤氏は笑う。

 幸い、親からひどく怒られることはなかったが、困った子であるのは間違いなかった。家でも学校でも褒められる場面はほとんどなかったのである。そうした状況が一変するのは小学校3年の2学期だった。父親が東京に転勤になり、家族全員で京都から大田区馬込に引っ越すことになった。

「その少し前に漫才ブームがあったことも影響してか、関西弁を話す僕は急にもてはやされるようになるんです」 =つづく

(ジャーナリスト・田中幾太郎)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも