岸田政権「介護職の月給わずか6000円アップ」の時代錯誤、非難ゴウゴウの閣僚賃上げ法案は迷走中
あまりにもショボ過ぎる賃上げだ──。来年度は3年に1度の介護報酬の改定だが、改定前のつなぎとして2月から補助金で介護職員の月給が引き上げられる。しかし、その幅はたったの6000円。4月から改定される介護報酬も、「財務省が報酬の大幅引き上げに反対しているため、4月からも6000円アップのままか、多少の上乗せ程度とみられています」(厚労省関係者)という。
介護職は激務でありながら、給料が低い。平均月給は29.3万円で全産業平均と比べて7万円も低い。高齢化が進み介護需要が高まる中、他分野への人材流出が懸念されている。
8日の衆院厚労委員会で立憲民主党の早稲田夕季議員は「3年前から6%以上物価が上がっている。6000円は決まりなのか」と追及。武見厚労相は「今、最終検討の段階。ここでは数字は控える」と明言を避けた。
■「ケタが違う」と悲鳴
ネット上では〈6万円の間違いではないのか〉〈6000円アップでは命守る仕事は安すぎる〉〈担い手は増えるどころか減る一方だ〉と悲鳴が上がっている。
「介護職の低い賃上げ幅は、全体の賃上げムードにも水を差しかねない。政府が決める公的価格は民間の賃上げ交渉にも少なからず影響力を持つからです。これでは岸田首相が民間に大幅な賃上げを求めても、『おまえが言うな』と返されてしまいます」(経済ジャーナリスト・井上学氏)