小林佳樹
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小林佳樹金融ジャーナリスト

銀行・証券・保険業界などの金融界を40年近く取材するベテラン記者。政界・官界・民間企業のトライアングルを取材の基盤にしている。神出鬼没が身上で、親密な政治家からは「服部半蔵」と呼ばれている。本人はアカデミックな「マクロ経済」を論じたいのだが、周囲から期待されているのはディープな「裏話」であることに悩んで40年が経過してしまった。アナリスト崩れである。

廃止すべき?コロナ対策「中小企業事業再構築補助金」認可事業の質に疑問の声

公開日: 更新日:

「そろそろ廃止してもいいのではないか」(メガバンク幹部)とみられている中小企業対策事業がある。政府がコロナ禍への緊急措置として2021年3月に開始した「事業再構築補助金」事業だ。

 昨年11月12日に開催された「秋の行政事業レビュー」では、「コロナ対策に係る部分は廃止、もしくは抜本的に事業を構築し直すべきだ」との厳しい意見が出されたほどだ。コロナ禍がほぼ終息し、経済が平常モードに戻る中、その存廃が問われている。

 事業再構築補助金は、コロナ禍で打撃を受けた中小企業などに事業転換や新規事業への展開などを促すために、基金から資金を助成するもので、当初は、必要な費用の3分の2、最大6000万円まで交付する措置で、予算も20~22年度で2兆4408億円が措置された。年度をまたぐ、まさに大盤振る舞いの対策だった。

 補助金交付が認可されたのは1回目の申請公募から、昨年6月締め切りの10回までで計7万6224件に及ぶが、およそ補助金対象にはふさわしくない案件も散見される。例えば、直近の10回目の認可案件では、「ゴルフ関連が79件、エステ関連が59件、サウナ関連が18件もあった」(メガバンク幹部)とされる。また、これまでの申請の中には、「フルーツ販売店の展開」という公募が複数あり、「申請を仲介したコンサル会社などが、認可されやすい事業として企業に提案したようだ」(同)とされる。補助金目当てに、とりあえず通りやすい事業プランを使い回しした可能性も高い。

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