サムスン電子が稼ぎ頭の半導体部門で赤字転落のなぜ…韓国経済の先行きに不安も
韓国産業界の巨人・サムスン電子が身もだえしている。稼ぎ頭の半導体部門が営業赤字に転落。そのうえ得意の半導体メモリー「DRAM」で世界シェア2位・同国SKハイニックスの猛追を食らっているためだ。サムスンのきしみは韓国経済の先行きをも揺さぶる。
サムスンの2023年12月期決算(速報値)は営業利益が前期比85%落ち込んで6.54兆ウオン(約7200億円、1ウオン=約0.11円)にとどまるなど大幅な減益に沈んだ。営業益10兆ウオン割れは15年ぶりの低水準。売上高も同15%減の258.16兆ウオン。4期ぶりの減収だ。
収益の足を引っ張ったのはメモリー市況の低迷長期化による半導体部門の多額の赤字だ。
事業部門別の損益は1月下旬の確報値公表を待つ必要があるが、同部門の営業赤字幅は23年1~9月で12.69兆ウオン。10~12月も赤字で、市場関係者らは「通年での赤字幅は15兆ウオン規模(前期は24兆ウオンの黒字)に膨らんだのでは」とみる。
このためスマホや家電、液晶・有機ELパネルといった他部門の利益が食い潰されたというわけだ。
■関連記事
-
語り部の経営者たち 象印マホービン 市川典男社長(3)高級炊飯器がヒットもライフステージにあわせて選ぶことができる製品を…
-
語り部の経営者たち 象印マホービン 市川典男社長(2)家庭用品メーカーのトップブランドを目指して…“CM戦略”が大当たり
-
注目の人 直撃インタビュー リゾート開発計画に揺れる野沢温泉村の村長に聞いた「ニセコでも白馬でもない独自文化の根付く唯一無二の村をつくる」
-
「もうけびと」に聞く金儲けの秘訣 ゴキブリ駆除で業界革命を起こした男に聞いた 完全駆除率99.5%、リピート率97.9%の秘密
-
クルマは乗らなきゃ語れない 新型ダイハツ ムーヴに初試乗! スライドドア化は是か非か? 王者ホンダN-BOXと比べてみた
-
経済ニュースの核心 「エムット」の商標巡り“ニアミス”騒動も…三菱UFJ銀はポイント還元率最大20%ブチ上げ預金獲得強化へ