日銀マイナス金利解除で…年金生活者を待ち受けるのは「賃上げ値上げ」の地獄

公開日: 更新日:

増え続けている単身高齢女性の暮らしはとりわけ厳しく

 ただでさえ、年金支給額は来月の新年度から「マクロ経済スライド」が2年連続で発動され、実質目減り。賃金の伸び率よりも0.4%低く抑えられ、物価上昇率にも追いつかない。年金支給は度重なる抑制・削減強化により、過去12年間で実質7.8%減額されたとの試算もあるほど。「賃上げ値上げ」まで襲ってくれば、年金暮らしは干上がってしまう。

 とりわけ増え続けている単身高齢女性の暮らしは厳しい。

 厚労省の資料によれば、そもそも女性の年金受給額は男性の3分の2以下、月額10万円以下が全体の8割強だ。1人で生きていくには窮する額だけに、65歳以上の単身女性の貧困率は44%と深刻な水準だ。

「マイナス金利を解除しても、日銀は急速な利上げには慎重なので、ゼロ金利は続きます。よって老後に備えて蓄えた預貯金は延々と金利が付かず、物価上昇で目減りの一途です。なけなしの老後資金が底をつけば『人生100年時代』の長生きリスクは増すばかりです」(斎藤満氏)

 5%超の賃上げは年金生活者に恩恵ナシ。むしろ、その代償の「賃上げ値上げ」で地獄の苦しみを味わうハメになる。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋