じもとHD→国有化、農林中金→1兆円増資…金融機関も国債運用で“大ヤケド”の惨状

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「取引先の粉飾決算で与信コストが膨らんだほか、金利上昇で国債などの損失が発生し、収益を大幅に悪化させた。それで公的資金200億円の返済スケジュールについて国と協議を始めたようです。期限通りに返済したら、不測の事態に耐えられない可能性が高まるため、体力があるうちに膿を出し切り、財務健全化を急ぐ道を選びたいのでしょう。国も金融不安を広げないため、返済猶予を認めざるを得ないのではないか」(金融関係者)

 ギョッとするのは運用損の大きさだ。じもとHDの24年3月期決算短信によると、2行合算の「国債等債券損益」は前期比40倍の85億9000万円。その大半をきらやか銀が占めている。

「じもとHDは20年11月にSBIホールディングスと業務提携し、SBIが主導する地銀連合に加わった。きらやか銀も仙台銀も第2地銀で運用ノウハウが乏しいことから、SBIの指導に沿って米国債を含む債券を仕入れたものの、相場が逆に動いてヤケドを負ってしまった」(市場関係者)

■新NISAで前のめりは危うい

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