米大統領選でガラリ…オバマ政権とトランプ政権から考えるイランとの関係 国際情報の専門家が分析

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トランプ政権で守られていた「アブラハム合意」が…

 トランプ大統領時代は、アブラハム合意が守られていました。そのため、合意を交わした国だけではなく、サウジアラビアとの関係も良好でした。実際、イスラエルのネタニヤフ首相とコーエン外相は、毎年恒例のイスラム巡礼のためにイスラエルのテルアビブからサウジアラビアのジェッタに向かう直行便を就航させる交渉を、サウジアラビアと行っていたほどでした。
 
 サウジアラビアのジェッダ空港は、メッカから一番近い空港なので、「メッカへの玄関口」ともいわれています。イスラエルからメッカ巡礼をする人のために直行便を就航させる。これは中東和平を考えたとき、とても大きなインパクトを持つニュースでした。

 ところが、トランプ大統領が去ると、イスラエルはパレスチナへの入植を再開するようになります。それどころか、パレスチナ(ヨルダン川西岸地区)に暮らす民間人が抵抗しようものなら、イスラエル軍は射殺してまで入植活動をエスカレートさせている。アラブニュース、アルジャジーラ、ガルフニュースといったアラブ圏の報道機関は、そう伝えています。

 イスラエルのネタニヤフ首相は、これまでに6回の政権を築いています。現在の内閣にはシオニストと呼ばれる強硬派のユダヤ民族主義者が加わっており、極右と言えます。以前の政権に比べ、よりパレスチナに対して強硬的な態度に出るものであり、実際に強硬政策に舵を切ってしまいました。アラブ人もパレスチナ人も、アブラハム合意が守られていないわけですから、当然反感を持ちます。その結果、現在はイスラエルとアラブ諸国の距離は再び離れつつあります。

 リーダーの方針一つで、よくも悪くもガラッと関係性が変わってしまう好例と言えるでしょう。

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