安倍派裏金公判で被告の会計責任者がにおわせ…還流再開めぐる「細田・安倍・下村の動き」とリンクする森元首相

公開日: 更新日:

 自民党清和会(安倍派)の裏金事件で政治資金規正法違反罪(虚偽記入)に問われた会計責任者の松本淳一郎被告の公判。18日に行われた弁護側の被告人質問で明かされたのが政治資金パーティーに関する会長の指示、販売ノルマ超過分の還流復活を押し込んだ幹部の動きだ。

 松本被告は2019年2月から会計責任者を務め、仕えた会長は細田前衆院議長と安倍元首相だ。会長の号令一下の運用実態をこう陳述した。

「ノルマをどれくらいにしたらいいか私が決めて、会長に説明した。会長から〈これで行け〉と指示が出てから連絡した」

「パーティーが終わってある程度時期が経つと入金状況が分かる。それを基に資料を作成して会長に説明し、〈これでいい〉とゴーサインが出てから具体的作業をした」

 ルーティンが変わったのは22年4月。当時会長だった安倍元首相から「今のやり方にいろいろ問題があるんじゃないか」と言われ、幹部が集合。「4月初めの会合に(会長代理の)塩谷さんと下村さん、(事務総長の)西村さん、(参院幹事長の)世耕さん、私、安倍会長が出て、還付をやめるという結論が出た」という。「今のやり方」とは現金での還流のこと。キックバック自体を問題視したかは定かではない。3カ月後に安倍元首相が横死すると、一転したという。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    トリプル安で評価一変「サナエノリスク」に…為替への口先介入も一時しのぎ、“日本売り”は止まらない

  2. 2

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 3

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」

  4. 4

    どうなる2025年の忘年会? インフル大流行、インバウンド、実施企業減で飲食店に“三重苦”

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    飛び交う玉木雄一郎代表「12月辞任説」…国民民主党ついに倫理委員会で“グラドル不倫”調査

  2. 7

    秋田・岩手で過去最高の水準…クマ被害と住宅着工激減の構造的な関係

  3. 8

    麻生太郎氏に「10月政界引退説」 派閥の「裏金疑惑」拡大で窮地…気づけば孤立無援

  4. 9

    物価高放置のバラマキ経済対策に「消費不況の恐れ」と専門家警鐘…「高すぎてコメ買えない」が暗示するもの

  5. 10

    ペヤングソースやきそば(まるか食品)これまで投入した味は600品以上 2020年発売「モノホントンコツMAX」の評判は…

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦は大関昇進も“課題”クリアできず…「手で受けるだけ」の立ち合いに厳しい指摘

  2. 2

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 3

    マエケン楽天入り最有力…“本命”だった巨人はフラれて万々歳? OB投手も「獲得失敗がプラスになる」

  4. 4

    中日FA柳に続きマエケンにも逃げられ…苦境の巨人にまさかの菅野智之“出戻り復帰”が浮上

  5. 5

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  1. 6

    高市政権の“軍拡シナリオ”に綻び…トランプ大統領との電話会談で露呈した「米国の本音」

  2. 7

    エジプト考古学者・吉村作治さんは5年間の車椅子生活を経て…80歳の現在も情熱を失わず

  3. 8

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  4. 9

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  5. 10

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ