著者のコラム一覧
小林佳樹金融ジャーナリスト

銀行・証券・保険業界などの金融界を40年近く取材するベテラン記者。政界・官界・民間企業のトライアングルを取材の基盤にしている。神出鬼没が身上で、親密な政治家からは「服部半蔵」と呼ばれている。本人はアカデミックな「マクロ経済」を論じたいのだが、周囲から期待されているのはディープな「裏話」であることに悩んで40年が経過してしまった。アナリスト崩れである。

「資さんうどん」をすかいらーくHDが買収 “北九州のソウルフード”は全国展開から世界を目指す

公開日: 更新日:

“北九州のソウルフード”と呼ばれる「資さんうどん」が、「ガスト」や「バーミヤン」などを運営する外食チェーン「すかいらーくホールディングス(HD)」に買収されることになった。10月上旬に「資さんうどん」の全株式を「すかいらーくHD」が譲り受ける。買収額は約240億円となる。

「資さんうどん」といえば、昨年10月26日、北九州市の「旧安川邸」で行われた藤井聡太竜王と伊藤匠七段による第36期竜王戦七番勝負第3局で藤井竜王が勝負飯として昼に食した「肉ごぼ天うどん」が話題となった。器からはみ出るほど長い、ごぼうの天ぷら5本と、甘辛の牛肉がのせられた人気メニューで、藤井竜王は味巻きずしにジャンボいなり、かしわ(鶏肉)おにぎりもセットにした。

「資さんうどん」は、1976年、北九州は八幡製鉄所に程近い港町で生まれた。もともとは創業者・大西章資さんが「安心しろ、もうかっているうどん屋だ」と言われて知人から譲り受けた戸畑区の一軒のうどん店がルーツ。だが、フタを開けてみれば、閑古鳥が鳴く、とても繁盛店とは言い難い店だった。当時33歳の大西章資氏はその店を「うどん・そば 資さん一枝店」として開店、1980年に「資さん」の前身となる「有限会社さぬきや食品」を設立したのがはじまりだ。

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