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重道武司経済ジャーナリスト

1957年鳥取県倉吉市生まれ。84年フジサンケイグループ傘下の経済紙「日本工業新聞」(現フジサンケイビジネスアイ)の記者となり、千葉支局を振出しに鉄鋼、自動車、総合電機、財界、金融、エネルギー(電力・石油・ガス)などの業界を担当。2000年外資系通信社に転じた後、02年からフリーに。得意分野は通信社時代を含めて在籍足掛け7年にも及んだ日銀記者クラブ時代に人脈を培った金融。自動車業界にも強い。

南海電鉄が「通天閣」の株式7割を取得へ…浮上する建て替え論と実現性の壁

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「観光」の業績は悪くない。06年ごろには年間入場者数が100万人を割り込んだこともあったが、インバウンド需要の盛り上がりもあって23年度は約137万人を記録。コロナ禍前の水準を回復し、売上高は15億円を突破。

 営業利益は前年度比3.4倍の6.3億円に膨らんだ。高井社長も「体力のあるうちに先手を打ちたかった」と保有株放出の意図を明かす。

■開業から70年で老朽化

 建て替え論が浮上するのは今の2代目・通天閣が開業から70年近く経ち、老朽化が指摘されているためだ。東京スカイツリーの建設と「ソラマチ」開発で名を上げた東武鉄道の成功例が想起されるからでもあるのだろう。

 とはいえ実現性にはハードルも高い。現通天閣は市道をまたぐ形で建てられており、「地権者も複雑に入り組んでいる」(不動産業界筋)とされている。権利関係の調整だけで長い月日を費やしてしまうことになりかねない。

 事業費調達の壁もある。現通天閣は奥村組が施工、建設費は当初見込みから1.3倍近く増大したという経緯もあるらしい。南海電鉄にとって早期に結論を出すにはあまりに“難解”なテーマだろう。

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