エアークローゼット 天沼聰社長(1)日本初、女性向けの“洋服のサブスク”
いろいろなことに興味が湧くタイプだったという天沼少年に「人生において最も大きな転機」が訪れる。父親が42歳で急逝。小5の時だった。
「冬でしたが、父は普段通り食後ソファに座って、その隣が私の定位置で、日常会話をしていたんですが、父が突然倒れて……そのまま他界してしまったんです。私はとにかく父親っ子で、父べったりだった。最初に憧れた人が父で、医者になるために、当時はまだ珍しかった中学受験のために塾に通ったり。子どもですから、自分を取り巻く世界がいきなり変わるなんて思いもしない。当たり前に続くと思っていた世界が突然、目の前で変わったわけです」
人生は何が起きるか分からない。誰でも頭では理解できる。が、天沼少年はその瞬間を目撃してしまった。価値観が一変した瞬間だった。 (つづく)