ノーベル平和賞欲しがるトランプ大統領が「国防総省→戦争省」改称に意欲マンマンの噴飯
ギョッとする話だ。トランプ米大統領が国防総省(Department of Defense)の名称を「戦争省(Department of War)」に変えたいらしい。25日、ホワイトハウスで記者団に「国防だけでなく攻撃も必要だ」として改称への意欲を示し、「来週あたりに変更が行われるだろう」と述べたという。
正式な改称には連邦議会の承認が必要なようだが、「メキシコ湾」を「アメリカ湾」に変えたり、「デナリ山」と改称されていた北米最高峰を「マッキンリー山」に戻したりしたトランプ大統領だけに、「戦争省」も本気で実現させるのだろう。
国防総省は1789年に戦争省として設立され、第2次大戦後の1949年から現在の名称となった。トランプいわく、「戦争省だったころには信じられないほどの勝利の歴史があった」。「平和の大統領」を自任していたはずが、「戦争」に前のめりだ。なぜ名称変更にこだわるのか。
■帝国主義時代に逆戻り?
「トランプ大統領が目指しているのは19世紀末のマッキンリー大統領の時代です。帝国主義時代の先駆けであり、関税をかけ、自国のメリットのために他国に入り込んでいく時代。彼の言うMAGA(アメリカを再び偉大に)は、米国が英国から独立してから第2次大戦までの過去を大事にすることであり、その時代に戻していくということなのです。彼の考える平和は『力による平和』。だから守るではなく攻める。国防総省の名称変更には、他国を脅かすことによって米国は存在を高めていく、との考えがあるのだと思います」(上智大教授・前嶋和弘氏=現代米国政治)