SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ
一方、25年3月期に16年ぶりに1兆8000億円もの最終赤字に転落し、農協など系統組織から1.2兆円もの資本を受け入れて危機を脱した農林中金。19日発表した25年9月中間連結決算は、一転して846億円の最終黒字に転換した。
運用資産の入れ替えや資本増強が功を奏したものだが、「依然として病み上がりの状態であることに変わりはない」(同)とされる。
26年3月期の純利益見通しは「不透明な市場環境の継続が見込まれる」として、300億~700億円程度で据え置いた。
SBI新生銀行、農林中金とも、投資家が納得する成長戦略が求められている点で共通の課題を持つ。
「そもそも旧新生銀行が公的資金を長年返済できなかったのは、公的資金注入後に利益を上げられず、株価が低迷したことが主因だけに、再上場後の成長戦略が問われる」(同)と言っていい。
ネックとなるのが、自己資本比率の低さだ。SBI新生銀行の自己資本比率(コアのCET1比率=普通株式等Tier1を貸し出し等のリスクアセットで割った比率)は25年3月末で9.3%。他のメガバンクが軒並み2ケタを維持しているのに比べて物足りない。


















