「私は総理なのだから」…安倍首相“戦争法案”答弁の支離滅裂
改めて言うまでもないが、米軍の戦争に進んで「巻き込まれる」のが集団的自衛権の本質だ。「戦争に巻き込まれる」ことを想定して、議論しなければならないのに、安倍首相はそれを認めない。集団的自衛権が抑止力になって戦争は起こらないという一点張りだ。
この日も「巻き込まれ論は1960年の安保改定時もあった。それが間違っていたことはもう歴史が証明している」という毎度の屁リクツを持ち出し、議論をウヤムヤにしたのである。
これだけインチキ答弁を連発すれば、議場からヤジが湧き起こって当然。そのヤジに安倍首相は「先ほどからウルサ過ぎ」「毎回毎回、騒がないで」「安住さん(民主党国対委員長代理)、注意して」といちいち反応し、最後は「我々が提出する法案についての説明は全く正しい。私は総理なのだから」と上から目線で開き直る始末だ。
「日本国民の安全のためでなく、米国のために自衛隊を差し出すのが、一連の戦争法案の“真相”です。国民に『本当のこと』を伝えれば、米国と約束した『夏までの法案成立』は不可能になる。だから、安倍首相はシラを切り通すしかないのでしょう」(金子勝氏)
安倍首相がこの答弁で逃げ切れると思っているのだとしたら、大間違いだ。