戦争になった「テロとの戦い」に日本はこうして巻き込まれる

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 欧米諸国の「テロとの戦い」は戦争状態に突入した。そんな中、日本では集団的自衛権の行使を容認する安保法制が成立し、16年3月に施行される。日本がテロとの戦いに巻き込まれていく可能性は一気に高まった。

「次の米大統領が誰になっても、今まで以上にイスラム社会に対して軍事的な介入をすることになるでしょう。安倍首相は米議会で『どんどん外に出ていく』と表明したし、米国でも『同盟国にもっと仕事をさせろ』という声が強くなっている。過去には『ショー・ザ・フラッグ(日本の存在を示せ)』や『ブーツ・オン・ザ・グラウンド(地上部隊を派遣しろ)』と言われたものですが、それが今は『シェッド・ザ・ブラッド(血を流せ)』というフェーズになっている。対米従属の安倍政権が、米国から言われるままに自衛隊を派遣することは想像に難くありません」(元外務省国際情報局長・孫崎享氏)

 安倍首相は安保法制の国会答弁などでイスラム国との戦いに自衛隊を派兵することを否定しているが、そんなものは口約束だ。

 米国内でテロが発生、米国が地上軍派遣を決定すれば、自衛隊は戦闘地域での輸送や救援活動を求められることになるだろう。戦争が一段落した後、治安維持活動で派遣された自衛隊が自爆テロに狙われる可能性もある。日本人旅行者が襲われるようなことがあれば、日本の世論なんてアッという間に好戦的になってしまう。国会の事前承認もアッサリ通り、泥沼の戦争に引きずり込まれていくのである。

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