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高橋乗宣
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高橋乗宣エコノミスト

1940年広島生まれ。崇徳学園高から東京教育大(現・筑波大)に進学。1970年、同大大学院博士課程を修了。大学講師を経て、73年に三菱総合研究所に入社。主席研究員、参与、研究理事など景気予測チームの主査を長く務める。バブル崩壊後の長期デフレを的確に言い当てるなど、景気予測の実績は多数。三菱総研顧問となった2000年より明海大学大学院教授。01年から崇徳学園理事長。05年から10年まで相愛大学学長を務めた。

今の時代に実現不能 同一労働同一賃金

 安倍首相がしきりと「同一労働同一賃金」を前面に打ち出している。23日の1億総活躍国民会議でも有識者による検討会を設け、具体的な法制度の在り方などを検討するよう指示を飛ばした。

 安倍首相が訴える「同一労働同一賃金」はどういう構図を想定しているのか、どうもボンヤリしている。正社員も非正規社員も仕事の内容が同じなら賃金を同じにするという意味であるならば、その発想はあまりに古典的過ぎる。この発想自体は、古典的資本主義経済の下では当然のスローガンだった。しかし、90年代初頭から経済のグローバル化が叫ばれて、すでにもう四半世紀が経った。事態は大きく変容してきている。

 首相がこのスローガンを掲げる背景には、正社員と非正規社員の待遇格差が横たわっている。特に最近は若年層への就職門戸がかなり狭まり、代わって派遣労働など非正規雇用が急増している。こうした雇用では彼らの生活維持は難しく、将来展望も大変厳しい。

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