官製バブルますます膨張 はじけた始末は誰が取る
黒田日銀が導入に踏み切ったマイナス金利により、民間銀行の資金運用や個人投資などあらゆるマネーが株式市場に向かうに違いない。官製の株バブルはなおいっそう膨らむだろうが、景気の実態が伴わなければ、いずれははじける宿命だ。そのダメージは計り知れず、黒田総裁の決断は将来に大きな禍根を残すことになる。
マイナス金利の対象となるのは、市中の金融機関が日銀に預けているカネ(日銀当座預金)のうち、法廷準備預金や支払準備預金のほかに積み上げている余剰分だ。
この残高は2006年には年平均5兆円ほどだったが、08年のリーマン・ショック時には損失補填などで巨額の資金が流出し、5426億円まで激減。その後は次第に増え続け、12年の平均額は3兆8000億円まで回復した。
異常なのは13年4月に黒田日銀が異次元緩和のバズーカを放って以降の動きだ。13年は7兆9000億円、14年は13兆円と倍々ゲームで増え続け、昨年12月末の残高は22兆円に拡大。残高もまさに異次元レベルで急上昇していった。