年内に100カ国参加 中国「AIIB」はなぜ急拡大したのか
中国が昨年末、新興国への投資を目的に発足させた「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」。参加国が、当初の57カ国から年内をメドに100カ国近くまで増える見通しというから驚きだ。
新たな参加国は、インフラ需要が旺盛な中東やアフリカ周辺に位置する新興国が中心とみられる。日米が主導し、現在67カ国が加盟する「アジア開発銀行(ADB)」の参加国数を、たった1年で一気に抜き去るワケだ。急拡大の要因は、中国サイドによる“ワイロ”が大きく影響しているようだ。
「中国企業の間では、取引相手を巧妙にワイロ漬けにし、ビジネスを有利に進める“文化”がある。中国以外の新興国内の商取引でも、ワイロが飛び交うのが当たり前。“文化”は新興国同士の取引においても同様とみられます。一方、先進国の間では、正常な取引を阻害する不正な贈収賄を排除するのが常識です。新興国の上層部は、『収賄の恩恵に浴したい』という下心を抱き“文化”に理解のある中国が相手だからこそ、AIIBの参加に手を挙げたのでしょう」(在中ジャーナリスト)
実際に、バングラデシュが2014年にAIIBの参加を決めてから、同国の高級官僚がワイロを懐に入れ、資産を急激に増やしたとの観測も流れている。