官邸の“NHK支配”ますます加速 安倍シンパが経営委員長に
NHKが丸ごと安倍政権に乗っ取られることになりそうだ。先月28日、任期満了で退任した浜田健一郎前経営委員長の後任に、JR九州の石原進相談役が決まったからだ。石原氏はNHK経営委員に“九州枠”で推挙され、2010年12月に就任した最古参。3年前のNHK会長人事で籾井勝人会長を推した一人であり、官邸と太いパイプを持つことで有名だ。
「石原氏が特に親しいのは麻生太郎財務相といわれています。福岡県で九州経済連合会の会長を務める弟の麻生泰氏(麻生セメント前社長)をガッチリ支えているのが石原氏。2年前は安倍首相に川内原発の早期再稼働を要請し、『川内はなんとかします』と言わせた。今年の熊本地震では九州観光推進機構の会長として政府から復興予算を引き出しました」(永田町関係者)
籾井会長みたいに安倍政権の言うことを従順に聞く“イエスマン”というよりも“インナー”に近い。官邸ベッタリの石原氏が新委員長になったことで、ますますNHKが御用メディアと化すのは間違いない。
「委員長は企業のCEOにあたり、NHK会長の選出などで主導的な役割を果たします。来年1月に任期を迎える籾井会長を辞めさせるか、再任を認めるかが焦点となりますが、どちらに転ぶにせよ、石原氏が官邸の意をくんで動くのは間違いありません。籾井会長のようにあからさまに政権をヨイショするタイプではなく、空気を読み、アウンの呼吸で立ち回ることができる人物とみられているだけに、ボロも出にくいでしょう」(NHKに詳しい放送ジャーナリストの小田桐誠氏)