鈴木宣弘
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鈴木宣弘東京大学教授

1958年、三重県生まれ。82年東大農学部卒。農水省、九州大学教授を経て、06年から東大教授。専門は農業経済学。「食の戦争」(文芸春秋)、「悪夢の食卓」(角川書店)など著書多数。

TPPのウソ<10>健康リスク度外視…安い食品で消費者が幸せ

公開日: 更新日:

 確かにTPPによって関税が下がれば、米国から安い牛肉や豚肉が入ってくるため、牛丼や豚丼は安くなる。しかし、関税を下げれば当然、関税収入も減る。日本の関税収入は、税収60兆円の内の1.2兆円ほどだ。TPPによって、その大半がなくなれば、他で補わなければならなくなるため、結局のところ消費者の税負担は増える。

 さらに問題なのは、米国や豪州の牛肉や豚肉を食べ続けることは極めて健康リスクが高いということだ。米国では牛の肥育のために女性ホルモンのエストロゲンなどが投与されている。これは発がん性があるとして、EUでは国内での使用も輸入も禁止されている。

 実際、EUでは米国産牛肉の輸入を禁止してから6年間で、乳がんによる死亡率が大きく下がったというデータ(アイスランド44.5%減、イングランド&ウェールズ34.9%減、スペイン26.8%減、ノルウェー24.3%減)もある。日本では国内使用は認可されていないが、輸入は許可され、国内に入ってきている。

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