安倍首相のツルの一声 「加計学園ありき」の獣医学部新設
安倍首相の40年来の「心の友」、加計孝太郎氏が運営する学校法人「加計学園」に、なぜか今治市から広大な市有地が無料で譲渡された一件は、国会でも取りあげられはじめた。
「『タオルと造船の町』に獣医学部……。つながりがさっぱり分からないね」――。岡山市の「加計学園」が運営する岡山理科大の獣医学部新設用地として、およそ36億円の市有地16.8ヘクタールを「無償譲渡」する今治市。突然、決まった大学設置に対し、首をひねる市民は少なくない。
確かに市は1970年代から、大学誘致を模索していた。2000年代初めには、進出候補の具体的な名前に「松山大学」(松山市)が挙がった。しかし、「松山大学」の話は頓挫し、代わって07年ごろから、進出に強い意欲を示していたのが「加計学園」だった。元市議がこう明かす。
「市は全国の学校法人に進出を打診したが、うまくいかず、造成した土地の塩漬けもやむを得ない――と諦めていた時に現れたのが『加計学園』だ。市の当時の説明では、『獣医学部は10倍以上の競争率があり、学生が集まりやすい』でした」