予算前倒しは追加枠の布石 防衛費5.2兆円“膨張”は青天井
まるで火事場ドロボーだ。8日、小野寺防衛相は“日本版トマホーク”と呼ばれる空対地と空対艦の巡航ミサイルの導入に向けた関連経費を2018年度予算に追加要求すると発表した。政府はドサクサに紛れて1900億円のミサイル防衛の関連経費も17年度補正予算案に計上する。
政府が来年度予算に追加要求するのは、ノルウェーが開発中の「ジョイント・ストライク・ミサイル(JSM)」の取得費など。空から艦艇を攻撃する「空対艦」と、地上目標を狙う「空対地」の2つの能力を持ち、最新鋭ステルス戦闘機F35Aに搭載する。小野寺防衛相は「敵基地攻撃を目的としたものではない」「専守防衛に反しない」と強調するが、トンデモもない詭弁だ。
軍事評論家の前田哲男氏が言う。
「巡航ミサイルJSMの射程は約500キロメートルですが、F35戦闘機に搭載することで大幅に飛距離が延びます。ジェットエンジンで低空を水平飛行し、GPSとレーダーを利用し正確に目標を破壊するため、敵基地攻撃も可能になる。憲法9条に基づく従来の専守防衛から大きく逸脱することになります」