浜矩子
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浜矩子同志社大学教授

1952年、東京生まれ。一橋大経済学部卒業後、三菱総研に入社し英国駐在員事務所長、主席研究員を経て、2002年から現職。「2015年日本経済景気大失速の年になる!」(東洋経済新報社、共著)、「国民なき経済成長」(角川新書)など著書多数。

ギグワーカー化を推奨 「働き方改革」はいかがわしさ満載

公開日: 更新日:

■労組も復権に向けて頑張って

 ところが日本では、そのような議論に参加することなく、無防備なギグワークの世界に政府が人々を積極的に押し出そうとしている。「柔軟で多様な働き方」の名の下に、「働き方改革」がギグワーカー化を推奨しているのです。つまりは、生存権や基本的人権への配慮に煩わされることは一切なく、使う側が安上がりにこき使える「個人事業主」を増やそうということなのです。税制改正で、19年度から給与所得控除を減らし、基礎控除を増やすことになりました。いかにも、「税金をまけてあげるから、『渡り職人』になりなさい」といっている感じで、いかがわしさ満載です。世界は人々のギグワーカー化を心配している。ところが、日本はそれを奨励している。これが怖い。

「生産性」という言葉を巡る論議も怪しげです。生産性が上がらないから賃金が上がらないということが盛んにいわれる。ところが、実をいうと、企業は省力化、つまりは人件費を節約するために生産性増強投資をしている。ということは、放置すれば、生産性増強投資が行われれば行われるほど、働く人々の所得は増えなくなることを意味しているわけです。生産性さえ上がればおのずと賃金が上がるというわけではないということです。この辺が実に混迷した形で議論されている。意図的に議論を混乱させている向きもあるでしょう。生産性上昇の成果を労使でどう分かち合うかということに関しては、労組の交渉力が大いに問われるところです。人が焦点となる年においては、労組にも復権に向けて頑張って欲しい。

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