食品ロス問題に波及も 重すぎる“もったいない教師”の処分
「食品ロス」への関心が高まる中、議論を巻き起こしているのが堺市の給食問題だ。定時制高校の教員(62)が2015年から19年まで給食で余ったパンと紙パックの牛乳を持ち帰っていたため、昨年11月、減給10分の1(3カ月)の処分を受けた。教員は「もったいないと思った」と説明。実費として31万円を支払ったあと依願退職し、12月末に堺市教育委員会が発表した。
「教員は毎日パンを5~6個、牛乳を10~14個持ち帰って家族で消費。他人への転売などはしていませんが、教育委員会が『残った食べ物の持ち帰りを禁止』と通知しているのにそれを守らなかった。そのため、地方公務員法の法令と上司の職務命令に従う義務への違反と信用失墜行為に当たると判断して処分を決めました。残ったパンなどはすべて廃棄処分の予定でした」(堺市教委教職員人事課の担当者)
ここ数年、恵方巻きの大量廃棄問題を契機に食品ロスへの関心が高まっている。ファミリーマートはおでんのロスを減らすため、14日から“受注販売”を開始。そんな中、もったいない精神を発揮して処分されたとは気の毒な気がするが……。