SNS監視に24億円 安倍政権イメージ戦略にカネじゃぶじゃぶ
〈コロナこわいけどぉ、安倍のイヌ見たら元気出た〉――。
星野源の「うちで踊ろう」に便乗した動画を安倍首相がインスタグラムに投稿し、大炎上した途端、ツイッターに全く同じ冒頭の文言が大量に出回った。
この非常時に愛犬と優雅に戯れる「まるで貴族」を見て、なぜ元気が出るかはさておき、反論するように〈24億円かけてこれですか?〉というツイートも散見された。
24億円とは、外務省が〈感染症を巡るネガティブな対日認識を払拭するため〉として、緊急経済対策に盛り込んだ予算措置を指す。
「本件予算は新型コロナウイルス感染症について日本の状況や取組について正確な情報を発信し、海外で誤った対日認識を持たれないようにするためのものです」(外務省報道課)
具体的には、海外メディアの報道も含め、SNS上に出回る「誤った情報」に逐一、反論していくようだ。要は日本政府にとって「正しい情報」を発信するため、休業補償などをケチって、SNS監視に大金をつぎ込むわけである。厚労省も〈新型コロナウイルス感染症に関する相談窓口等の設置、広報の充実〉として、35億円の予算を組み、一部を「正しい情報」発信に充てる予定だ。
しかし、問題は「正しい情報」の「正しさ」を誰が判断するのかだ。例えば批判している側の指摘の方が正しい内容であっても、政府にとって都合が悪ければ「クロをシロ」と言い張ることだって可能ではないのか。
すでにSNS上では、今回の予算措置を巡り「批判を封じ込める情報操作」との認識に基づいた書き込みが拡散中だ。ひょっとして、これらの書き込みも監視や反論の対象となるのか。改めて外務省に聞いてみた。
「本件予算は特定の報道等を封じ込めたり、情報操作を行ったりするためのものではありません」(報道課)
さすがに中国のように批判コメントを次々と削除したり、〈安倍の犬見たら元気出た〉などの情報操作を担うことはなさそうだが、どんな書き込みが監視対象になるのかは不透明だ。
ちなみに、内閣府も緊急経済対策に新型コロナウイルス対策に関する広報予算を100億円以上も計上。広報戦略で安倍首相の「やっているフリ」を支援するのだろう。少しは補償に回したらどうなんだ。
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