渡辺周
著者のコラム一覧
渡辺周「ワセダクロニクル」編集長

1974年、神奈川県生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、日本テレビに入社し、2000年から朝日新聞。高野山真言宗の資金運用や製薬会社の医師への資金提供の実態をスクープしたほか、原発事故後は長期連載「プロメテウスの罠」取材チームの主要メンバーとして活躍した。2016年3月に退社、ニュース組織兼発信媒体「ワセダクロニクル」の編集長に就任。

動燃総務部と茨城県警が監視 技術元職員がヒントをくれた

公開日: 更新日:

プルトニウム製造係長 竹村達也さん

 竹村達也の失踪事件を取材するきっかけになったのは、竹村の元部下が茨城県警勝田署(現・ひたちなか署)の刑事から聞いた言葉だった。

「北に持っていかれたな」

 この言葉を元部下が聞いたのは、1972年3月に竹村が失踪した直後のことだ。

 72年といえば、北朝鮮による拉致は何の話題にもなっておらず、国民のほとんどは知らなかった頃だ。なぜ刑事は北朝鮮による犯行を疑ったのだろう?

 しかも刑事は茨城県警本部ではなく、所轄署の刑事だ。所轄署は地域で起きる比較的小さな事件を取り扱う。国際犯罪を常に意識しているとは思えない。

 しかし、ヒントをくれた人物がいた。竹村が動燃での最後を過ごした技術部の元職員だ。彼は中学卒業後、日雇いとして動燃で働いた。その後、正規職員になって労働組合の活動に取り組んだ。

■組合活動に目を光らせる

 元職員は言う。

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