異例の出世 財務省注目の新主計局長も森友問題の論功行賞
霞が関は人事の季節。今ではすっかり、安倍首相に尽くした官僚が出世する構図が出来上がってしまった。
森友学園問題で「記録はない」「データもない」と強気の国会答弁を繰り返した財務省の佐川宣寿理財局長(当時)が国税庁長官に栄達したことは記憶に新しいが、今夏の人事でも、のらりくらり答弁で野党の追及をかわした太田充主計局長が事務次官に昇進。安倍政権を守った論功行賞と批判されている。
もっとも、太田氏の次官昇進は財務省内では順当だと受け止められているという。むしろ注目を集めていたのは、国家予算の編成を一手に握る主計局長人事で、太田氏の後任に誰が就くかだった。
その主計局長に矢野康治主税局長が就任することになり、財務省内は騒然としている。
矢野氏は森友問題の勃発時に、官房長として官邸との調整役を担って暗躍した。菅官房長官の秘書官を務めていたこともあり、官邸とはツーカーだ。森友問題の公文書改ざん問題で予算委にも呼ばれたが、そつない答弁で官邸を守った。セクハラ疑惑で福田淳一事務次官(当時)が辞職した際は、一時的に官房長と事務次官を兼務。とにかく官邸の覚えがめでたい官僚なのである。