二階氏の「春謳歌」続く 強靭化5年延長も菅首相が満額回答
政界で今、誰が一番偉いのか。その答えをまざまざと見せつけた。菅首相が1日、新たな国土強靱化5カ年計画を策定するよう関係閣僚に指示。二階幹事長肝いりの現行計画は今年度までの3カ年で事業規模7兆円だが、新計画は5年・15兆円を目指す。
現行計画は2018年の西日本豪雨など災害の頻発、激甚化を受け、同年度補正から国土強靱化予算を増額。3年間集中で160項目の緊急対策を推進してきた。
二階氏は先月11日、計画の5カ年延長と予算規模拡充を菅首相に直接、要請した。緊急対策の継続に、財務省内には「本当に緊急性があるのか、事業ごとに精査すべきだ」と予算増額を警戒する声もあったが、菅首相の満額回答で二階氏は完全に勝利。1日の会見でも「時宜を得たもので当然のことだ」とご満悦だった。
二階氏の完勝は菅政権をつくった「キングメーカー」だからこそ。菅首相も「敵に回せば政権運営は危うい」と二階氏に配慮を重ねる。菅首相の「Go To」キャンペーンへの固執も、旗振り役を演じた自分のメンツに加え、“観光族のドン”の二階氏の威光を守るためでもある。