著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

米国の暗号解読を、日本陸軍は気づいていた

公開日: 更新日:
(左から)野村吉三郎大使、ハル米国務長官、右は来栖三郎特命全権大使(C)共同通信社

 日米交渉は7カ月余にわたって続いた。その間、日本の本省とワシントンの駐米大使館との暗号電報のやりとりは、全て解読されていた。そのため日米交渉でアメリカ側は日本がいかなる案を持ってくるか、日本側の心理状況はどのような状態なのかを把握していた。そういう余裕を持ちながら、日本の野村吉… 

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