ダメ野党を尻目に 自民政治と距離を置く自治体首長が「もう1つの船を出す」とネットワーク

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 岸田内閣の支持率はジリ貧なのに、立憲民主党を筆頭に野党の支持率も上がらない。世間には「誰がやっても変わらない」という政治への諦めが広がっているが、そんな閉塞感を打破する動きが出てきた。

 先週金曜(9日)の夜、東京・中野サンプラザで開かれたシンポジウム「ローカル・イニシアチブ・ミーティング」に東京の5人の自治体トップが出席した。小金井市の白井亨市長、中野区の酒井直人区長、世田谷区の保坂展人区長、多摩市の阿部裕行市長、杉並区の岸本聡子区長(写真左から)。いずれも自民党政治とは距離を置く新しいタイプの首長たちだ。

 この集会を出発点として首長のネットワークで連携し、政策の共通化をはかり、来春の統一地方選に向け、新たな政治の選択肢を示していくという。集会には地方議員や立候補予定者ら30人も参加した。

 民主主義の再構築が必要、といった議論の中、集会にリモートで参加した政治学者の中島岳志氏はこう発言。

■国政ではもう1つの船が出ていない

「野党は自公政権とは別の対立軸を示すべきだが、国政ではもう1つの船が出ていない。だから自公政権に皆、しがみついている。もう1つの選択肢が必要」

 そして、保坂区長が「政権交代は必要だけど、政治の質が転換しない中で、自民党ではない自民党のような政治ではダメ」と、いまの国政への歯がゆさを見せ、「もう1つの船を出す」と宣言した。

 コロナ禍で、自治体の政策の違いが命に直結することを目の当たりにし、首長の手腕への世論の関心は高まっている。保坂区長らは今後、全国に呼び掛け、賛同する立候補予定者を募っていくという。統一地方選の台風の目となるか。

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