「石破降ろし」加速へ…10万円商品券配布バレ、深夜の公邸会見で記者にネチネチ逆質問の完全墓穴

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 政界に激震が走っている。派閥裏金事件を巡り野党の追及が続く中、石破首相の「政治とカネ」の問題が浮上した。

 今月3日に公邸で自民党の衆院1期生15人前後と会食した際、石破事務所が土産名目で1人当たり10万円分の商品券を配っていたことが分かった。13日夜、共同通信の特報で判明。複数の出席者らの証言に基づく記事で朝日新聞など各メディアも一斉に後追い報道し、政権を揺るがす大問題に発展している。

 商品券が配られたのは、会食に先立つ3日の日中から夕方ごろ。石破首相の秘書が出席する議員の議員会館内の事務所を個別に訪問。「今日のお土産です」などと説明し、大手百貨店の紙袋に入った状態で配って回ったという。総額は百数十万円に上るとみられ、全員が返却したとの報道もある。

 政治資金規正法は、政治家の政治活動に関して個人からの金銭などの寄付の禁止(21条の2)と、その受領の禁止(22条の2)を定めている。違反すれば1年以下の禁錮、または50万円以下の罰金を科される。商品券配布の目的が「政治活動」に該当するか。それが法に抵触するかどうかを判断する際の焦点となる。

 石破首相は13日深夜に急きょ、公邸で記者団の取材に応じ、「会食のお土産代わりに、ご家族へのねぎらいなどの観点から、ポケットマネーで用意した」と語り、秘書の商品券配布を認めた。その上で「『ご苦労さま』ということが、政治活動にあたるとは思わない」などと強調し、「政治活動に関する寄付ではなく、規正法上の問題はない」と繰り返し主張した。

■「実質的には規正法に抵触」

 記者から法に抵触しないとの認識なのかと聞かれると「第何条のどの趣旨をおっしゃっていますか」と逆質問をネチネチ重ねる場面も目立ち、やたらと挑発的な顔つきは「ヤバい」のひと言だった。政治資金に詳しい神戸学院大教授の上脇博之氏はこう指摘する。

「原資が私費だろうが、公費だろうが、問われるのは『政治活動』に関する寄付か否かです。日頃から友人関係を築いた政治家同士なら別ですが、わざわざ1年生議員だけを15人前後も公邸に招いた時点で政治活動にあたり、プライベートな集まりとの理由はつかない。しかも10万円相当は社会通念上の“お土産代”の範疇を超え、商品券は用意に換金できる。実質的には規正法に抵触すると思います」

 企業・団体献金のあり方を巡り、国会論戦が本格化するタイミングで火が付いた石破首相自身の「政治とカネ」。本人は9日の党大会で「勇気をもって真実を語る政党でありたい」と宣言したばかりだ。党内からも公然と「首相交代」を求める声が上がる中、また説明がブレれば「石破降ろし」の加速は必至だ。

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