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片岡健ノンフィクションライター

出版社リミアンドテッド代表。著作に、「平成監獄面会記」、同書が塚原洋一氏によりコミカライズされた「マンガ 『獄中面会物語』」(共に笠倉出版社)など。

鳥取連続不審死事件 女性死刑囚が刑執行を待たず獄死…それでも被害者家族が納得できる理由

公開日: 更新日:

死刑執行されることなく死亡

控訴審判決後、他の遺族と共に会見(提供写真)

 2009年に社会を騒がせた「鳥取連続不審死事件」の犯人、上田美由紀死刑囚は23年1月、収容先の広島拘置所で食べ物をのどに詰まらせ、窒息して死亡した。49歳だった。被害者遺族は、この意外な事件の結末をどう受け止めたのか。

「上田の死は、テレビの記者からの電話で知りました。僕は仕事で岡山にいたのですが、やはりビックリしました」

 そう振り返るのは、上田死刑囚に殺害された圓山秀樹さん(享年57)の次男、賢治さん(50)。ビックリしたとは言うが、随分時間が過ぎたこともあり、落ち着いた話しぶりだった。

 確定判決によると、鳥取市でスナックホステスなどをしていた上田死刑囚は09年4月、借金270万円の返済を免れるため、交際相手の矢部和実さん(当時47)に睡眠薬を飲ませ、海で溺れさせて殺害。さらに同10月、「代金後払い」で購入した家電6点の代金約53万円の支払いを免れるため、電器店経営者の圓山さんも同様の手口により川で殺害したとされる。

 上田死刑囚はこの他、多数の取り込み詐欺でも有罪とされたが、圓山さんも当初は取り込み詐欺のターゲットだったようだ。賢治さんはこう言う。 

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