辟易するような旧態依然…「石破おろし」に留飲を下げる大メディア

「石破退陣誤報」とその言い訳紙面が話題だが、根底にあるのは自分たちが政局を動かしているという大メディアの勘違いだ。だから、石破の粘り腰が許せない。石破降ろしを煽る煽る。麻生が出てくれば、援軍みたいな書き方をする。この国のアナクロは自民党だけじゃない。
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9月になった。あの「大誤報」はどうなったのかと思っていたら、3日、読売新聞が検証記事を掲載し、話題になっている。読売が号外まで刷って「石破首相 退陣へ」と報じた一件である。
号外が配られたのは参院選の投開票から3日後の7月23日午後。同日、毎日新聞もネットで速報し、両紙は夕刊でも報じた。自民党の参院選大敗を受け、石破首相が引責辞任する、ということだった。ところが、直後に石破は「一部にはそのような報道がございますが、私はそのような発言をしたことはございません」と完全否定。それでも両紙は翌24日の朝刊でも「退陣へ」と大見出しで報じたのだった。
読売の号外記事では、石破は退陣を「月内(7月中)にも表明」、毎日は「来月末(8月末)までに表明」と書いていたが、その期日はとっくに過ぎた。で、9月に入って、読売がようやく経緯を検証する記事を出したというわけだ。朝刊の1面に加え、1ページを使った特集から構成され、その見解は「首相は周囲に何度も辞意を明言していたから報じたが、その後、翻意した可能性がある」という趣旨。「結果として誤報となった」と読者に陳謝したうえで、編集担当役員以下、関係者の処分を発表した。
読売は1週間ほど前に、日本維新の会の秘書給与詐取事件をめぐり「議員の取り違え」というあり得ない誤報を出し、検証したばかり。それで焦って、石破退陣報道についても検証したのか、読めば読むほど言い訳のオンパレードだった。「誤報」として陳謝しながら、一方で「悪いのは首相だ」と強弁しているようにしか読めないのだ。それどころか、次のように宣言までしている。
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