著者のコラム一覧
片岡健ノンフィクションライター

1971年、広島市生まれ。早稲田大学商学部卒業後、ノンフィクションのライターに。新旧様々な事件を取材し、新事実や冤罪を発見している。著作に『平成監獄面会記』、同書が漫画家・塚原洋一氏によりコミカライズされた『マンガ「獄中面会物語」』(共に笠倉出版社)、『もう一つの重罪 桶川ストーカー殺人事件「実行犯」告白手記』(リミアンドテッド)など。最新刊は2026年4月発行の『実録 死刑囚26人の素顔』(宝島SUGOI文庫)。

大阪元社長夫婦ドラム缶遺体事件 荒唐無稽な冤罪主張した死刑囚は、死刑を心底恐れていた

公開日: 更新日:
大阪拘置所。鈴木は現在も死刑囚として収容されている(提供写真)

 2009年11月、大阪府阪南市の賃貸ガレージに放置されたドラム缶から2体の腐乱死体が見つかった。府警の捜査により、遺体は04年12月から行方不明だった和泉市の元会社社長の男性(失踪時74)とその妻の女性(同73)と判明。強盗殺人などの容疑で逮捕されたのは、夫婦宅の新築工事に携わっていた堺市の建設作業員の男(逮捕時42)だった。

 私は14年7月、その男、鈴木勝明と大阪拘置所で面会した。鈴木は当時、裁判員裁判で「冤罪」を主張しながら死刑判決を受け、大阪高裁に控訴中。その日はTシャツに短パンという姿でこう訴えた。

「け、警察は、ほ、本当にひどいんです……しょ、証拠がないから、べ、別件で逮捕して……取り調べでは、そ、その殺人事件のことばかり聞いてくるんですから……」 

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