西口彰事件 島に住む老婆が小声で呟いた「何であんな事件を起こしたのかね」

公開日: 更新日:
西口の生家近く(提供写真)

 移住先として最近人気があるという長崎県の五島列島の中通島。この島は、平たい土地が限られていて、海から山が突き出たような地形をしていた。

 海を背にしながら細い山道を歩いていくと、両側にはわずかばかりの段々畑が広がっていた。白い頬かむりをして背骨の曲がった老婆がひとり、畑の中で雑草を抜いていた。この辺りに連続殺人犯・西口彰の生家があったと聞いていた。私は老婆に生家の場所について知っているか尋ねた。

「わざわざ東京から? よう来たね、こんな山の中へ。私がここに嫁いで来た時には、もうここにはおらんかったけど、行ってみるか?」

 老婆は畑仕事の手を休めて、わざわざ私を西口の生家のあった場所へ案内してくれた。右手には鎌を持っていた。マムシが出るから、草を刈りながら行くのだという。

 5分ほど草をかきわけて進んで行くと、家一軒分ほどの空き地がぽっと現れた。建物は残ってなく、最近増えたイノシシを捕らえる檻だけが仕掛けてあった。西口一家の痕跡は、既に夏草の下に埋もれてしまっていた。

「何であんな事件を起こしたのかね」

 老婆が、小さな声で呟いた。 

この記事は有料会員限定です。
日刊ゲンダイDIGITALに有料会員登録すると続きをお読みいただけます。

(残り949文字/全文1,440文字)

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「豊臣兄弟!」白石聖が大好評! 2026年の毎週日曜日は永野芽郁にとって“憂鬱の日”に

  2. 2

    川口春奈「食べ方が汚い」問題再燃のお気の毒…直近の動画では少しはマシに?

  3. 3

    あの人「なんか怖い」を回避する柔らかな言葉遣い

  4. 4

    自分探しで“変身”遂げたマリエに報道陣「誰だかわからない」

  5. 5

    (1)高齢者の転倒は要介護のきっかけになりやすい

  1. 6

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  2. 7

    「誰が殺されてもおかしくない」ICE射殺事件への抗議デモ全米で勃発

  3. 8

    解散総選挙“前哨戦”で自民に暗雲…前橋出直し市長選で支援候補が前職小川晶氏に「ゼロ打ち」大敗の衝撃

  4. 9

    業績悪化で減収減益のニトリ 事業の新たな柱いまだ見いだせず

  5. 10

    チンピラ維新の「国保逃れ」炎上やまず“ウヤムヤ作戦”も頓挫不可避 野党が追及へ手ぐすねで包囲網