著者のコラム一覧
シェリー めぐみジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家

NY在住33年。のべ2,000人以上のアメリカの若者を取材。 彼らとの対話から得たフレッシュな情報と、長年のアメリカ生活で培った深いインサイトをもとに、変貌する米国社会を伝える。 専門分野はダイバーシティ&人種問題、米国政治、若者文化。 ラジオのレギュラー番組やテレビ出演、紙・ネット媒体への寄稿多数。 アメリカのダイバーシティ事情の講演を通じ、日本における課題についても発信している。 オフィシャルサイト:https://genz-nyc.com

イラン攻撃の違和感を読み解くカギ…裏には米シンクタンクが描いた「プロジェクト2025」が

公開日: 更新日:

 その核心が大統領への権力集中だ。大統領主導の迅速な軍事判断による抑止力行使、軍事力で交渉力を高めるべきと主張した。議会承認を経ず実施された今回の攻撃は、この統治モデルに極めて近い。

 この「プロジェクト2025」は、想像以上に長い時間をかけて醸成されたものだ。1960年代の公民権運動以降、宗教、移民、人種など社会の価値観をめぐる対立、いわゆる文化戦争が起きた。大学やメディアがリベラルに偏っていると見た保守派は、宗教右派と結び、国家制度を変えることで対抗しようとした。その流れの中で力を伸ばしたのがヘリテージ財団だ。

 80年代にはレーガン政権の青写真をつくり地位を確立する。2010年以降、アメリカが高度に多様化し、非白人が人口の過半数に迫ると、移民制限や多様性政策反対の中心となった。制度を変えるためには「大統領に権力を集中させ、直接支配するのが早道」という結論に行き着いたともいえる。

 この設計図の実行にとってトランプ氏ほど適した人物はいない。だが皮肉にも、その予測不能な政治スタイルこそが計画そのものを不安定にする。そのねじれこそが、冒頭の違和感の正体だ。誰も逆らえない絶対的な権力の下で、戦争はどこか制御を失ったように進んでいく。

■関連キーワード

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    萩本欽一〈48〉73歳で駒沢大学に入学、就活に悩む同級生にした「木彫り名人」の話

  2. 2

    萩本欽一〈47〉気仙沼ちゃんは民宿4軒経営の大女将に 説教してテレビで夫を募集させた甲斐があった

  3. 3

    阿部慎之助にした「今ならパワハラで即クビ」の指導&落合博満から学んだ仰天トレーニング

  4. 4

    モグライダーともしげが埼玉の中高一貫ミッションスクール聖望学園で打ち込んだアメフト《26年夏番外編》

  5. 5

    やっぱりか? 自民・村井国対委員長が高市首相「国会逃避作戦」画策…予算委出席「原則不要」案をリポスト

  1. 6

    萩本欽一〈46〉斉藤清六が泣きながら持ってきた1000万円、追い返そうと思って貯金額を聞いたら驚いた

  2. 7

    郊外に住むという選択肢 「都心から1時間」の狙い目エリア

  3. 8

    植田日銀シルバーウイーク前の「円高誘導」は大失敗…もはや為替介入はできない

  4. 9

    広島4番栗原に敵将・落合監督は「四球でいい」と助言を…

  5. 10

    高市首相の日米首脳会談「蜜月アピール」は突っ込みどころ満載…トランプ大統領は「心ここにあらず」