W杯を目眩ましに…高市政権が悪法連発、ドサクサ紛れで強行の悪辣

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内閣広報官が経歴詐称疑惑を必死の火消し

 法大大学院教授の白鳥浩氏(現代政治分析)はこう言う。

「高市政権の国会運営は前代未聞。これほどひどい運びは過去になかった。総選挙で自民党がバカ勝ちして常任委員会の委員長ポストをほぼ取ったことから、『数の力』に依拠したやり方を悪びれもなく推し進めている。中傷動画拡散疑惑は首相の資質に関わる重大な問題です。野党が徹底追及の構えを崩さないのは至極当然なのに、〈寝ていない〉と逆ギレし、屁理屈をこねて審議拒否を続けるのは自分勝手に過ぎる。危機管理ができず、自分をどんどん追い込むリーダーに国家運営を託すのはリスクでしかない」

 安倍元首相の秘書官として仕えた佐伯耕三内閣広報官が運用するXのアカウント「内閣広報官(色々投稿試し中)」は29日、高市の経歴詐称疑惑に関する小紙記事を紹介した「日刊ゲンダイDIGITAL」の投稿を引用ポスト。こんなケチをつけた。

〈記事引用だけの「取材に基づかない」記事でしたので、引用元の米記事でインタビューされているキップ・シェルーテスさん(総理の米国時代元同僚)に直接「取材」したところ、「She was technically a Congressional Fellow」(彼女は正確に言えばコングレショナル・フェロー)とのことでした〉

 小紙が引用したのは、米ニューヨーク・タイムズなどの記事だ。高市は民主党のパトリシア・シュローダー下院議員(2023年逝去)の事務所で「コングレッショナル・フェロー」として働き、立法作業に携わったと主張しているが、かねて疑義を呈されている。シュローダー氏を支えた古参スタッフのキップ・シェルーテス氏に複数のメディアが取材し、その内容をベースにNYタイムズは「高市早苗首相はコロラド州選出の先駆的な下院議員のもとでインターンとして政治の道を歩み始めた」とサブ見出しを打っている。

 米メディアの記事の拡散はよほど都合が悪いのか。佐伯氏はシュローダー氏とシェルーテス氏が発した文書の画像まで投稿。出元は言うまでもなく高市本人だろう。公僕である官僚まで動員して疑惑の火消しに走るとは、経歴詐称問題に強い不安を抱いている裏返しである。

■「60日ルール」は「数の暴力」

 高市はシュローダー事務所に送った履歴書について、1992年発売のファッション誌で〈自分は日本の軍事問題の権威だって、ウソ書いたの〉と白状してもいる。虚偽のキャリアで下院議員の事務所に潜り込み、「日本人初の米連邦議会立法調査官」と存在しない肩書を引っ提げてテレビに出演。顔と名前を売って代議士となった。手段を選ばずにライバルを潰して総裁の座をモノにし、女性初首相にまで上り詰めたのだとしたら、正当性が問われてしかるべきなのだ。

 逃げ得やり得なんて許されないが、時事通信によると、官邸は今国会の会期を60日間延長する案を検討しているという。少数与党の参院で法案審議が進まなくても、与党で3分の2超を占める衆院での再可決によって成立させられる「60日ルール」を悪用しようとの腹である。定数削減や副首都を通したい維新は前のめりだ。

 立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)はこう指摘する。

「国会を軽視する高市首相は議会制民主主義の破壊者。首相は衆院解散表明会見で〈高市早苗が総理でいいのか、今、主権者たる国民のみなさんに決めていただくしかないと考えた〉と言い、一定の支持を集めたわけですが、自民党に票を投じた有権者は独裁を容認したわけではないでしょう。『60日ルール』で通したい法案をゴリ押しするのは、『数の力』による暴力です。自民党にナメられた野党はスクラムを崩さず、徹底抗戦をしなければ、有権者の支持を完全に失ってしまう。この2週間あまりは民主主義の正念場です」

 なぜ世論は恐るべき国会愚弄政権に支持を与えるのか。目を覚まさないと、あっという間にいつか来た道だ。

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